気胸〜1週目〜

・2010/5/17(月)
この日はまだ入院前。普段どおりに仕事をしていました。
二日前ほどから胸の痛みを感じていたが、日常生活にそこまでの差支えがないため、通常営業してました。
痛みとしては肋骨から心臓にかけて押さえつけられてる(?)ような痛み、正直ホント表現しづらい痛みです。
この痛み自体は20歳頃から起こっており、大体年に1回くらいのペースで痛み、2週間ほどでおさまる、
そういうスパンを繰り返していたため「あーまたかー寝るとき痛いんだよなーコレー」程度の気分でいました。
 
たまたま会社の後輩と胸の痛みについて話す機会があり、「整形外科で肋骨がずれてたので補正してもらった」と
割と自分の中にマッチする症状だったこともありコレはもう一度直してもらった方が良いかと決意。
さすがに心臓病ではないとおもっていたので肋骨を寝違えたかなんかなんだろうと踏んでいました。
本当は残業して仕事進めるところを定時で上がらせてもらい、地元の整形外科へin。
レントゲン撮影後、即答で
 
気胸ですね、片肺が完全に潰れてます。これは入院しないとまずいですよ」とのこと。
 
・・・え、肺?というのが当時の正直な感想でした。まさか肺が痛んでるなんて考えもしなかったですよ。
レントゲンを見せてもらうとすげー!しぼんだ風船みたいになってるー!と素人が見て分かる気胸っぷり。
(説明しよう!気胸とは肺の空気が漏れて漏れた空気に逆に肺が圧迫されて縮む病気なのだ!)
でも今まで痛んでは治ってたので入院しなくても良いのでは・・・?と聞くがあまりいい印象をもたれず、逆に
この状態でもう一つの肺も気胸になると呼吸出来なくなって大変なことになりますよと脅される始末。
ただ治療装置がその整形外科にはなかった為大きめの病院への紹介状を書いてもらいその日は終了。
割と危険な病気で入院の急を要しているそぶりのくせに1日くらいは大丈夫だろう、といわれるこの不思議。
まあ自分もマジハロ打ちに行ったりしましたけど。
 
帰ってからネットで調べたところ

自然気胸は、背が高く痩せ型の若い(10代020代)男性に起こりやすい傾向にあるが
BMIが20前後の男性では、6%程度にブレブの発生が見られた)背の低い人、太った人、年配の人、女性が発病する事も稀ではない。

なんてストライクなんだ・・・!と自分に驚愕しつつ心持ち胸を庇って就寝。特に寝る分には困らないんだよねー。
 
・2010/5/18(火)
朝一から紹介状とレントゲンフィルムを貰い大き目の病院へ移動。受付を済ませ診断してもらったところ
「今日手術します、その後で入院ですね」
はえーよ!何の心の準備もしてないよ!心どころか体の準備もまだだよ!と驚きの急展開。
ぶっちゃけ入院する、と頭では思っていたが何の準備(着替えとか)をしていなかったので一回戻らせてもらうことに。
暫く風呂にも入れなくなる&飯もきっと少ないんだろうなーと思いシャワーを浴びて飯を多めに喰らい、
ドンキで使い捨てのスリッパとか下着とかを購入、ゲーム屋で暇つぶしまで手配する万全っぷりを展開しつつ戻り。
さあいつでも来い!・・・といっても「手術」と呼ばれるもの自体初の経験なので内心超ビビってました。
しかしここの外科医たちはイケメン揃いだなぁ。自分が腐女子だったら1冊書いてもおかしくないレベル
・・・とまあそんなことはどうでもいいとして、いざ手術。
 
 ――手術1・胸腔ドレナージ――
 まずは手術着(青いバスローブみたいな服)に着替え、左手側の袖を通さずひらけた状態に。
 左側肺が気胸に罹っているため、手術しやすいよう左胸を上にするようベッドに寝させられました。
 これで手術の準備はOK。っつーか処置室でするのね・・・。大した施設を用意する必要はないということか。
 医者3人+ナース2人+研修医1名に囲まれている状態。多いのか少ないのか分かりかねますね。
 いざ開始!ということで局所麻酔を注入される。普通の注射と違い麻酔ってなんか痛いですよね。
 針を刺して痛くないと感じたところで切開、体勢の都合上患部の状態は一切見ることが出来ません。
 切開はさすが麻酔の効果、一切痛く感じませんでした。
 その後ドレーンチューブを挿入、チューブ自体は大体直径1〜1.5cmくらいの管なのですが
 先ほど同様、どんな物が体に入っているか全く見ることが出来ませんので感覚だけが頼り。
 
 「じゃあチューブを挿入しますよー、痛かったら言って下さいねー」
 
 ぐっ、ぐぐぐぐぐっ・・・痛っ!痛いよ!普通に痛い!
 麻酔がかかってても多分ここの痛みは防ぎようがないんだろう、という部分が痛い。
 具体的には肋骨の間に指を差し込まれてる感覚(まんまですね)試してみると良く分かると思います。
 
 言って下さいねーなんていうのは割と決まり文句であり痛い!って言ってもどうしようもないわけなのですが
 それでも丁寧に処置してくれたおかげか思ったほど苦痛を感じずに終了。正直「え、もう?」という印象でした。
 手術後、自分の体からチューブが生え、その先に吸引機材が取り付けられていました。
 若干の水が入っており、それで空気が漏れているかを判断するようです(コポコポ・・・と泡が出れば漏れてる)
 
その後、処置室のベッドに荷物をのせ、そのままベッドごと病棟へ移動。
なんか仰々しい移動方法だったため若干恥ずかしかった。局所麻酔だから普通に意識あるし。
当日はそのまま大した痛みもなく終了。この段階で親に入院の連絡をしておきました。
 
・2010/5/19(水)
起床、6時。はえーよ!ちなみに消灯は21時でした。普段とタイムスケジュールが違いすぎる。
採血後に食事を行い、用意してたゲームで時間をつぶす。このときは痛みもそこまでは感じていませんでした。
10時ごろに連絡を受けレントゲン撮影に移動。病棟が5階だったためエレベータで1階へ移動します。
気胸という病気はレントゲンで現在の病状が簡単に分かるため、これから毎日撮影することになります。
なんとか歩いて行ける痛みだったため看護士さんを一人連れてレントゲン室へ移動。
担当の先生が位置調整をしてきますが、ここでレントゲンのコツ、というものを自分が分かっていなかった為、
恐らく触れてはいけないところに触れたのだろう、思わずギャッ!と叫ぶほどの痛みが襲ってきました。
撮影は無理やり済ませたものの余りの痛みに視界が黒くなり気絶寸前、サウナかと言うほどの汗が体をつたい
正直歩いて戻るのは不可能と判断、車椅子を用意してもらいました。
ベッドへ戻ってきたものの暫く汗が止まらず痛みも治まらない。この痛みと今後は戦うことになります。
 
用意された痛み止めはロキソニンと言う錠剤。解熱効果も含みます。
ただ胃に与える負担が大きいためムコスタ(胃薬)と併用し、極力食後に服用することをお願いされました。
発動までに約30分かかり、効果時間は4〜6時間。体感的には4時間も持ってない気がするんだけどな・・・。
痛みで移動することが出来ないため、飯の直後に薬を飲み、その後30分〜1時間の間だけで用を済ませる、
そんな生活をしていました。具体的にはトイレや売店移動ですね。病気でも雑誌購読は欠かさない。
痛くてたまらなかった為かその日はさくっと就寝。なんか痛み止めに睡眠補助作用あるらしいけど。
 
・2010/5/20(木)
9時に寝ると4時ごろ起きる。さすがに9時間睡眠なんて出来ないって。
正直、飯を食べるのも辛い痛みなのですが、食べないと痛み止めを飲むことが出来ない、と考え無理に食べる。
ご飯が別段不味いとかそういうことがなかったのは幸いでした。
この日病棟を5階から6階へ移動。もともとは6階が外科病棟だった模様。5階の人、心臓病とか居たしなぁ。
今日もレントゲン撮影ですが痛いのもあり安全を期して車椅子で移動。吸引機材ごと移動するので若干面倒です。
昼飯後も痛み止めを飲んでずっと寝ていましたが昨日よりも胸の痛みが違う。痛い、痛痛痛いてーっ!
普段、体勢を調節して「痛くない姿勢」というのを探しながら寝ていたのですが、今日はそれが見つからない。
どう体を動かしても痛い、何をやっても痛い、つか動かしたら痛みが増してきてもう止められない!
焼ける!焼けるように体が痛い!痛み止め効いてないじゃないかちくしょー!ということでナースコール。
二の手として座薬を用意してくれたので恥も外聞もかなぐり捨てて突っ込んでもらう。
こいつは割りと力強いようでどうにか安静にしていられる段階まで抑えることが出来ました。
感覚で「きっとこれ超痛いんだろうけど痛み止めで無理やり何とかしてる」というのがちょっと分かるのが辛い。
昼間と夜中、計2回座薬を突っ込んでもらいました。夜勤病棟真夜中のナースコール。
 
・2010/5/21(金)
・2010/5/22(土)
木曜を境に痛みがどんどんと引いていき、若干の違和感を感じる、と言った程度にまでおさまりました。
ただ通常の生活をするには辛い、というか無意識に痛みを庇ってる(同じ体勢で過ごす、荒い呼吸はしない等)
のが影響しているようで、咳をしたりちょっと体の位置を変えたりすると途端にいたたたた・・・となるため
まだリハビリの必要はあるのかなーと思っていました。
この咳、というのが重要なようで、割と看護士や先生から「ちょっと軽く咳込んでもらえます?」と言われます。
恐らく咳をする際に肺に空気をぐっと溜めるようで、空気漏れの穴がある場合漏れを確認しやすいそうです。
毎日のレントゲンの結果から、肺の復活っぷりは良好なようで、問題がなければ日曜にはチューブを抜くとの事。
とりあえず軽く咳をした段階では漏れ確定の泡はでな・・・ん、ちょっと出たような・・・いや、気のせい気のせい
という感じで過ごしていました。痛みが少ないため割と安定して生活できていました。
寝てはゲームして飯食って寝てはゲームして売店行って雑誌買って・・・と言う生活。でも体重は減っていく不思議。
 
・2010/5/23(日)
レントゲンの様子が問題ないため、先生がやってきて「よし、チューブ抜きましょう」と一言。
ここの人たちは一度決めてからの行動が早すぎる。半日後とか翌日とかそういうことはないんだろうか、と思いつつ
若干ほっとしていました。
「最後の確認の為に深呼吸してみましょう、吸ってー、吐いてーふーーーーーーー」
すーっ、ふーーーーーーー
 
・・・・コッ、コポポポ・・・
 
あっ
 
「ダメですね、まだ穴開いてますね、これは手術しかないですねー」
と、一気に絶望の淵に立たされることに。あと一歩と言うところで・・・!とどこへ怒りをぶつけたらいいか分からない
そんな気分のまま迎えた夜。金曜土曜と大して痛くなかったのにあの深呼吸で変なところを刺激したのか激痛が走る。
痛っ、いっいーーーーッ!と痛みの段階がステップアップしていく感覚。ステップ5くらい来たので我慢できずコール。
最終手段の筋肉注射をぶっ刺してもらいました。あまり回数打てない分強力で、ステップ5が1くらいまで下がりました。
コレなら十分寝れるレベル、というかここで寝ておかないとヤバイと判断し、即就寝。
痛みのせいなのか何か良く分からないけど1時間半のスパンで3回くらい起きては寝て起きては寝てしてました。
何も出来ない夜中って大分辛いですね。
結局朝方もう一度激痛が襲ってきたので同様に筋肉注射をブスリ。前回左腕だったため今度は右腕に。
つまりを言うともう後がない感じ。結構強めに効いてくれたから愛用していきたいんだが、この注射。
・・・ただ痛み止め成分が強いのか普通の注射より大分痛いのと上腕の筋肉が硬くなるのが困り物でしたけどね。
そんなこと気にならないくらい胸が痛いんだもん。しょうがないよね
 
 
 
と、1週目は割りとこんな感じ、入院生活が初めてなので割りと浮かれてましたが痛いものは痛い。
楽な入院生活なんて存在しなかったんや・・・!(座薬突っ込みながら)と現実を突きつけられる結果となりました。
病院生活は暇すぎてしょうがない、と言ってましたが意外とイベントがあって耐えられるレベルでした。
割と回診とか来てくれますしね。
 
2週目からは全麻手術、まさかの癒着術と続きますが今回はこの辺で
1週目分は役に立つ情報が余りないですがこんな感じでだらだら続けたいと思います