食いに行ったラーメン屋の殆どを勧めてくるからなあ

と、言われるくらい人に勧めるのが好きな自分ですが、最近そういう紹介をしていませんでしたね。
ダブルアーツ、おまかせ精霊、シンシア、超能力部とお気に入りマンガが立て続けに終わると
切ない気分になりこんなに苦しいのならもうマンガなど要らぬ!と聖帝症候群に陥るわけですが
ちょっと深夜に暇だったので読み返すとやはり自分に必要なのはこれだ、と思うわけですよ
お前も覚えているはずだ、あのぬくもりを…。
 
と言う訳で最近のお勧めマンガをいくつか。相変わらず雑誌ベースですが。
 
将国のアルタイル (カトウコトノ/少年シリウス)
いわゆる戦記もの、と言われる類のマンガ。
舞台はどことなくアラビアンな雰囲気を漂わせる世界。時代背景も現在よりもはるかに昔です。

史上最年少の将軍(パシャ)になった主人公・マフムートが敵対する帝国相手に奮闘するのが
物語の大筋なのですが、昨今の漫画にはない「挫折」と「無力さ」と言うのを大きく表現した
珍しいマンガでは無いかな、と思います。
史上最年少の将軍ということで才能には溢れているのですが、
人と使う、あるいは率いることを経験したことが無いため、一度将軍を降格されることとなります。
その後流浪の日々を送るのですが出会った人々の「力」と言うものに自分の無力を実感し、
また学ぶべきところをしっかり学ぶ、そうした成長を描いているマンガとしては
昨今の王道バトルマンガには無い魅力が詰まっているのではないか、と思います。
と言うよりも未熟な主人公、というマンガが最近少ないような…という気もしますが。
このマンガは内容もすごいのですが、何より新人が描いているという点が一番の驚き。
戦記物ってそれなりに綿密な設定が必要だと思うのですが、まったくオリジナルの設定を使い
それでいて非常に魅力的な世界観を構成しているというのは中々出来ない芸当では、と思います。
イラストもかなり描きこまれていて美麗な絵を好む人にもお勧め。
 
える・えるシスター(邪武丸/コミックREX)
性的な意味で非常にお世話になった邪武丸の漫画。
女子高を舞台に繰り広げられる愛憎入り交じりのサスペン…スはまったくないな、ギャグ漫画です。
生徒会長の姉を持つ主人公・小向井ふたばが同じ女子高へ入学するところから話がはじまります。
人前では完璧超人である姉に憧れて入学したものの、当の姉は極度のシスコンであり
主人公を前にするとデレ全開。周りの目なんてどうでもいいのふたばちゃああん!な様子。
完璧な姉像が1話にして崩れ去り戸惑いを隠せないが、その原因が自分への愛であるため
否定することもできず結局のところ姉妹でイチャイチャパラダイス。
邪武丸のマンガは恋愛のベクトルがちょっと頭の弱い方向へ向かっているので
ギャグ漫画として非常に楽しめます。その辺はRIN辺りで十分堪能しましたが。
 
コレが男女の恋愛だったとするならば否定的な印象を受けることは多いと思うのですが
百合世界だと全然問題なく読めるのは何なんでしょうね。
BLの世界もこういう見方をしていたりするのかなー、とふと思ったり。
百合もBLもどちらも、同性愛と言うものを対して考えていないと思うのですがその辺禁句なのかな。
自分の知る限りではえるえるシスターとアライブのささめきことが百合マンガとして
読んでいるものなんですが、女が女を好きになるのは当たり前!みたいな感覚に戸惑うことも。
逆にアフタヌーンでやってるオクターヴは真剣に同性愛について苦悩したりするマンガなのですが
やっぱり後者の方が珍しいんだろうなー、と思います。楽しく読めねーもの。
BLでこいつを好きになっていいのかとか苦悩してたらそれはもうオッスオッスなガチムチになる気が。
 
話はそれましたが純粋にあまーい(はあと)な世界を楽しむという意味でこのマンガがお勧め。
 
トライアルライド(魚住青時・小林知恵子/アフタヌーン)
最近では割と珍しい競馬のお話。最近じゃなくてもかなり珍しい方か。
主人公は新人の騎手。元天才ジョッキーの師匠から託された地方競馬20連敗中の馬と共に
成長するシーンを描くわけですが、
実はこのマンガ、途中からしか読んでいないので最初の話を上手く掴めていなかったりします。
ならばなぜそんなマンガがお勧めに入ったかと言うと「覚醒」の表現が実に上手かった。
マンガにおいて「覚醒」と言うのは非常にわくわくするものです。
クリリンのことかーっ!なんかは今でも歴史に残る名台詞のはずです。
激昂によって未知の力を引き出す=覚醒と言うのは良くある話ですが、このマンガの場合
ふつふつと体の中から力が出てくる、と言うような表現で読者が「一体どうなるんだ・・?」と
期待を持たせることに成功していると思います。
実際、きっかけややっていることはすごく単純なことなんですがそれの表現が上手い。
競馬自体よりもそういった他の話が面白いので競馬に興味がない人にもお勧め。
絵柄に反して割と熱いマンガだと思います。たぶん。
これ以上は単行本から読みなおしたほうがよさそうね。